法律を語ろう!ニフティ慶友会法学的勉強室

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  • #24259
    キーマスター

    Kさん。
    うう~ん・・「物権法定主義」からだと一体ストーリーはどうなるんだろう?・・という楽しみもありますが・・その手の説明は僕の方でやってもよいですよ。

    ところでKさん、以前少し匂わせていましたね・・ひょっとして文学部出身なのでは??

    #24260
    ミスターK
    キーマスター

    **ニフ慶ドラマ**・・・[ 熱海の空から ]

    第1話 「熱海の実家」
    日曜日の朝、6時30分・・・・私はまだ布団の中である。 突然、携帯電話から「マツケンサンバ」が流れた。 最近流行りの着歌着信だ。 妻(幸子)に頭を殴られ・・・いやいや出た。
    相手は、熱海の母親だった。
     「義男、朝早くから申し訳ないね。」——–直ぐに、帰って来るように言われた。
    仕方がないので早々に妻を説得し、妻(幸子)と子供(美子)を連れ、実家である「熱海」に帰ることにした。
    私の実家は、熱海では中堅の旅館。 父も元気でいつも庭を手入れが日課、母は当然女将で現役バリバリで旅館の経営はすこぶる良かった。
    熱海の実家に到着したのは、もう11時を少し過ぎていた。 なつかしい、においだ。 私は思わず深呼吸した。   早々 母が出迎えてくれた。 そこで、嫁・姑の挨拶が交わされ、母は、孫の手を引いて旅館の裏の自宅に向かった。  自宅のソファーに座ると、母が言った。 「幸子さん 旅館の女将にならない。」  突然の話に妻の眼が点になった。  相当驚いた様子だ。
    幸子は、私が次男で東京で気楽にしている私を見て、幸子は結婚したらしい。 これは、幸子の友人から聞いた話だが・・・・
    兄夫婦と母親との折り合いが以前から悪く、一週間前に兄夫婦は出て行ってしまったらしい。
    私は、思った。 やっぱり、来るべき時がきたか。・・・・・・以前から、兄嫁と母の意見が食い違い、しばしばトラブルはあった。
     母がもう一言 「ぼそっ」 と言った。  「よっちゃん(私の幼名)、旅館(うち)の温泉最近出が悪いのよ。」   姉さんに相談したら、「譲ってもいい」 と言ったのよ。
    もともと、母は女姉妹で、叔母も隣で旅館業をしていた。 昔、祖父から聞いた話にょると、番頭だった私の親父と一緒になった母の為に、わざわざ一軒、温泉旅館を建てたのが、我が家の起こりだそうだ。  しかし、叔母夫婦には子供が出来ず、叔父が他界してからは、旅館は閉鎖している。
    母によると、叔母の旅館(母の実家)の温泉は湯元で近くの旅館にも今も温泉を分けているそうだ。その権利が「温泉権」というらしい。民法で認められた権利だそうだ。それも、判例で認められた習慣法上の物権らしいのである。(物権法定主義)
    母がもう一言いった。「姉さん(叔母)は既に承諾(意思表示)している。」しかし、今までの借金を返済しなければ、抵当権がついているので譲れない。(物権変動)  また、登記や引渡しどころではないとのことであったが、(登記)(引渡し) その件については、既に銀行からの融資は大筋で了承され、後は「公示と公信」を確実に行なえば間違えなく当家の物になるようである。(公示と公信)
    但し、母姉妹には異母兄弟の弟(叔父)がいるらしい。話によると、所有権を主張しかねない。 だとすれば不動産の場合、登記による公示方法をとることが必要である。(第三者対抗要件)
    その話を聞いていた妻(幸子)の眼が 「爛々」 と輝いていることに、私は初めて気づいた。
    妻(幸子)は、私と結婚するまで、信託銀行で「融資の担当」や「物権の斡旋」を専門にしていたので、この手の話にはめっぽう強かった。   そんな、妻(幸子)のことを知っていたかの様に、母(時恵)も笑みを見せたかのように、私には見えた。  それは、親子でしか読み取ることの出来ない微妙な表情である。
     当然、私の携帯が「ツケンサンバ」のリズムに乗って鳴った。 おもむろに外に出て、着信ボタンを押した。 私は、自分の耳を疑った・・・・・・・・
    それは、半年前に別れた不倫相手の「典子」からの電話だった。
    「義男さん、お元気!!」 かろやかなで、さわやかな 声だった。
    (つづく)

    #24261
    ミスターK
    キーマスター

    273:打ミス
    物権法定主義の部分で、「判例で認められた習慣法上の物権」としましたが、
    正確には、「判例で認められた慣習法上の物権」の誤りです。

    #24262
    キーマスター

    おおっ!!~Kさん。
    これ、本当に最高!
    今後の期待で胸が「グラドル状態」ですわ!!
    それでは明日から()の中身の解説いきますよ~!

    #24263
    キーマスター

    「熱海の空から」第1話~注釈

    1「物権法定主義」(175条)=物権とは債権のように「契約自由の原則」が妥当しないものです。これはなぜなら、物権とは例えばある人がある物について物権たる所有権を持っていたなら、他の人の所有権はもう当該物に対しては成立しないことになる、という「他を排斥する力」を持った強い権利だからです(物権の排他性)。従って物権とは法律外で新たな種類のものや法定の内容を変更することは出来ません。
    2「慣習法上の物権~温泉権」(判例)=ところが、物権でも民法起草当時に全てのものが想定されていたかというと、当然そうではありません。例えば温泉地域の「ご当地の掟」のようなものが、「物権」として尊重されている事実があり、それが判例上で認められたものもあります。「温泉権」はその一つです。
    3「意思主義」「物権変動」(176条)=物権の移転には意思表示のみで事足ります。すなわち「売りましょう。買いましょう(売買)」、「あげましょう。もらいましょう(贈与)」・・これで民法上物権変動を生じさせることが出来ます。しかし、当事者間で「登記完了のときを物権変動の効力発生時期にしましょう」ということは認められます。
    4「公示と公信」「登記と引渡」「対抗要件」=物権は他を排斥する力があるわけですから、その取引の安全のために現在、誰がどの権利を所持しているかが分からなくてはなりません。そこで物権の在り処を「公」に「示」す必要があります。これが公示の原則です。これにより不動産については登記を、動産については引渡を先に受けた方が優先的効力を持つことになります。「公信」の原則とは、「公」に表象されたものを「信」じて取引した者を救済する制度だと考えてください。わが国の民法上は動産についてのみ公信の原則を採り、不動産については認めていません。では「登記」とはいかなる意味を持つかというと、当事者以外の第三者に「自分が権利者です」と言える効力を認められているわけです(しかしそれを他の人が入ってきて登記を完全に信用しても、その権利者を名乗る人が無権利者である場合は原則的に救済されません)。

    #24264
    ミスターK
    キーマスター

    **ニフ慶ドラマ**「熱海の空から」

    第2話 「悩ましい電話」
     義男は、少々驚いた。・・・  「元気さ・・・」 と答えた。
    典子は、すこし焦らしながら、 「相談にのって・・・」 とネコが囁くような声だ・・・心が揺れた
    断る理由を探した・・・見つからない。 しかたなく「いいよ」 と返事をした・・・
    ためらいもあったが、会社の後輩であるという、勝手な言い訳で自分を納得させた。
    典子の相談は、・・・・・中古のマンションを購入したらしいが、前の持ち主が不動産屋とトラブルを起こし、占有権を主張して立退きに応じないらしい。既に物権は登記済みであり、所有権が典子に移っていることは間違えのないようだ。典子は、法的手段をとると言う。
    (占有権)(占有訴権)(物上請求権)(所有権)
    話が少々複雑だ・・・。 
    仕方がないので、購入したマンションの近くで合う事になった。
    金曜日 午後6時 場所は横浜のみなとみらい駅の長いエスカレーターの前で合う約束をした
    おもむろに携帯電話をきった。  「フー」 ため息が出た。
    私は早々に、話し合いの場に戻った。 しかし、話は既に終わっていて、皆笑っていた。
    妻(幸子)と子供(美子)は当分の間、我実家で当分の間、手伝いをすることで話がまとまっていた。
    時計を見ると、2時半を少し過ぎており、家族で遅い昼食にすることになった。
    そして、夕方 妻(幸子)と子供(美子)に見送られながら、私一人で帰宅することになった。
    高速道路を走らせながら 「ふっと」 思った。  なぜ、妻(幸子)が旅館を手伝う気になったのか?不思議だった。
    (つづく)

    #24265
    キーマスター

    「熱海の空から」第2話~注釈

    1「占有権」=ある人がある物を事実上支配するという、その状態そのものを法律上保護して、社会秩序を維持することを制度趣旨とする権利です。例えばその「事実上の支配」にはあらゆる根拠が考えられます。所有権や賃借権というその支配状態の裏付けになる権利は「本権」と呼ばれます。しかし本権を持たないことも十分に考えられます。それは賃貸借契約期間終了後の賃借人の「居座り」とか、泥棒が盗んできたものに対する事実状態、これらも占有すべき権利を有するわけではありませんが占有することは出来ます。つまり本権が有無は「占有」の成立には全く関係がないといえます。
    2「占有訴権」=たとえばある人が自己の所有物を泥棒に盗まれたとします。しかし窃盗という泥棒の取得原因が不法であるとしても、被害者は自らそれを取り返すことは出来ません。つまり法治国家においては「自力救済」が禁止されていることは言うまでもないことだからです(占有訴権に関する通説)。そうした経緯と上記の「事実上の支配を保護し、社会秩序を維持する」目的から、占有に対する他からの侵害に対して、「占有権の効力」として認められるのが「占有訴権」です(198~200条)。
    3「物上請求権」=これも上記の「自力救済の禁止」から関連づけると考え易いと思います。物権とは物を直接に支配し、他を排斥できる強力な権利です。従ってその物に対したからの侵害や侵奪があれば、それらを除去しない限り直接の支配が不可能になります。しかし自力救済が禁止されるのですから、それを法的に請求出来るとした権利が「物上請求権」です(「物権的請求権」ともいいます)。この請求権には通常で3つの場合があります。「返還請求権」「妨害排除請求権」そして「妨害予防請求権」です。
    4「所有権」=所有権は物についての自由な使用、収益、処分という「完全なる支配」を許された権利です。しかしその所有権にも限界があります。例として憲法上の「公共の福祉」に反するような「自由」は認められません。

    #24266
    ミスターK
    キーマスター

    **ニフ慶ドラマ**・・・「熱海の空から」

    第3話 「横浜 みなとみらい駅」
    朝6時25分  目がさめた・・・・今日は金曜日
    枕もとの手帳に目を通すと、日付の欄外に「典」の一文字・・・。
    後(うしろ)の隠しインデックスを見る・・・・「みなとみらい駅エス前」と書いてある。
    私は思わず叫んだ。 「そうだ、今日だ」 ・・・・ 忘れていた ・・・ 典子だ。
    今日は ・・・ 何か落ち着かない。 ・・・ やっと仕事が終わった。
    会社を退社したのは、5時を少し過ぎていた。
    電車に揺られながら、典子のマンションの法的な関係を少し考えてみた・・・
    典子は当然、金融機関から融資を受けているはずであれば、マンションは法定担保物権のはずだ。「法定担保物権―留置権・先取特権」
    いや待てよ、おれの勘違いだ。 当事者間の約定による発生だから、約定担保物権だ。「約定担保物権―質権・抵当権」
    そんなことを考え・・・・「ブツブツ」言っていたらしい・・・
    隣のご夫人が空いた席に移動した・・・・おそらく、頭がおかしい男と勘違いされたようだ・・・
    横浜に着いたのは、時計を見ると 5時35分  久しぶりの横浜  みなとみらい駅の改札を出て少し周りを見渡した・・・待合せ時間にはすこし時間がある。  少し駅周辺を散策することにした。
    左に長いエスカレーターを昇り、クイーンズ・スクエア横浜の下に出た。そして、横浜ランドマーク・タワーの下を歩き、外に出ると日本丸があった。 やっと自分が何処にいるか確認できた。 ため息が出た。  自分が浦島太郎であることが少し残念な気がした。 それもそうだ、もう8年も来ていない。  すこし笑ってしまった。  時計を見ると、5時50分・・・急いで改札に戻ることに・・・
    ふと気が付くと エスカレーターの脇に、定期券入れが落ちている。 どう見ても女性のものだ。(遺失物)  駅員に届けようと思い 急いで拾いコートのポケットに入れた。 エスカレーターに乗る。
    エスカレーターの中ほどまで降りると 「典子」 の姿が見えた。 懐かしい。 すこし、胸がドキドキした。
    典子は横浜生まれで、横浜育ちの27歳 かとうかずこに良く似ている。
    彼女も気がついた様子だ・・・・まだ20m程の距離がある    お互いに眼で挨拶をした。 

    #24267
    キーマスター

    「熱海の空から」第3話~注釈

    1「法定担保物権と約定担保物権」=担保物権とは債権の回収を確保するために、他人の財産を支配する権利のことです。その効力は目的となる物を押えて債務の支払を催促すること、そしてその債務が履行されない場合は目的物から債権者が優先的に支払を受けることにあります。民法が規定する担保物権には「留置権」「先取特権」「質権」「抵当権」の4種類です。この内、「留置権」と「先取特権」は法に基づいて生ずるもので、「法定担保物権」と呼ばれます。「質権」と「抵当権」は契約に基づいて生ずるもので、「約定担保物権」と呼ばれます。以下、簡単に各担保物権の内容を書いておきます。

    「留置権」=よく挙げられる例としては、客が電器店にラジオを修理を頼んだとすると、電器店はその修理代金が支払われるまでそのラジオを「留置」して、その支払を促すことが出来る権利です。
    「先取特権」=ある人の債権者が数人いるとすると、特に抵当権等の担保物権を有していない債権者間では平等の支払を受ける地位を持つとする“債権者平等の原則”に支配されます。しかし債権の種類如何によっては、他の債権に先立って支払を受ける権利を認める必要性が生じてきます。そのようにある種類の債権について優先弁済を受けることが出来る債権を「先取特権」といいます。たとえば、ある会社が倒産した場合には従業員の賃金(給与債権)というのは優先すべき必要性があります。
    「質権」=ある物に質権を設定した場合、債権者は債務の弁済がなされるまでそのものを留置し、支払がない場合は質物を競売にかけてその売却代金から優先弁済を受けるとする権利です。
    「抵当権」=ある債権の担保として提供された物を設定者(物の所有者)の手許に留めておき、その使用、収益を認めながら債権の回収を求め、支払がなされない場合にはそれを競売しその代金の中から優先的に弁済を受けるとする権利です。

    2「遺失物」=ある物を占有する人の意思に因らずに、その占有、所持を離れたもののことです。但し「盗品」はこれに該当しません。

    #24268
    ミスターK
    キーマスター

    **ニフ慶ドラマ**・・・「熱海の空から」

    第4話 「典子のマンション」
    とても懐かしい。 「やあ」 「元気」 私から声をかけた。 典子も少しためらいながらも 「うん」 と答えた。
    まず、典子の問題のマンションを見に行くことで話はまとまった。 彼女の買ったマンションは戸部一丁目の交差点の近くらしい。  ランドマーク・タワーを出て、もみじ坂を上り、降りたところが、戸部一丁目である。 時間にして15分位・・・道々昔話やマンションの購入の経緯など聞くが、あまり耳に入らない。  ここらは、私が若い時よく通った道だ・・・懐かしい。 県立図書館や音楽堂がありよく友達と遊んだところ・・・・   典子が言った。「もう着くわよ。」
    典子のマンションに着いた。  「なかなかいいマンションじゃん。」と 私が第一印象を言った。
    典子も私の顔を見て言った 「でしょ。・・・」   外壁は白で何となくエキゾチックで気品があるマンションである。 玄関ポーチには赤のポルシェ・カレラが・・・私の好み型だ。 しかし、ここは共有部分なのか、判断がつかない。(共有)(建物の区分所有)
    また、隣のマンションとの間にプールもあった。 マンションの境界の杭が必ずあるはず・・・・典子と探したが見当たらない。  私は、相隣関係が気になった。(相隣関係)
    おもむろに、マンションの購入についての決済について尋ねてみたら・・・・・ 取合えず、ローン控除を受けるため、銀行でローンを組み購入したとの事。 ならば、当然マンションは担保物権として差し出したことになる。(担保物権)
    しかし、見れば見るほど  いいマンション だ。  典子の説明を聞きながら、今来た道を戻ることにした。
    風が心地よい・・・・・ その風にのって典子の匂いがする。 シャネルの香水だ。
    私はあることに気がついた。  典子を横目でよく見ると、今日は・・・洋服・カバン・アクセサリー・靴・全て・・・シャネルだ。   私の記憶が完全に戻った。  シャネルは典子の勝負服だった・・・・・・・。
    (つづく)

    #24269
    キーマスター

    「熱海の空から」第4話~注釈

    1「共有」=物権とは他を排斥することの出来る強力な権利であることはすでに述べました。よって物権は一つの物に対し一つしか成立出来ないことになります。しかし(共)同所(有)、すなわち「共有」はどうなるのかという疑問も当然あると思いますが、それは一つの物について複数人の所有権が成立するのですが、各人の持つ所有権は「分量的」に制限されます。たとえばA、B、Cの3人で一つの物を所有する場合は各人の持分が3分の1づつである、などです。この各人の持分のことを持分権といいます。民法ではこの「共有」の概念をあくまでも「例外的」なものとして取扱っています。
    2「建物の区分所有」=近時、マンション等の共同住宅が増えたことに関連して、一つの建物についての「共有関係」が法律上においても規定されるべき要請があり、ここに成立したものが「建物の区分所有に関する法律」です。マンション等は一つの建物の中に区分された部屋についてそこに独立した所有権を認める必要がありますが、この「区分所有法」が適用されるためには以下の2つの要件が満たされなければなりません。
    「構造上の独立性」と「利用上の独立性」です。
    3「相隣関係」=所有権は完全なる自由が認められるべきが原則ですが、隣接する不動産所有者間ではその利用の自由を調整し合う必要があります。民法上209~238条において細かく規定されていますが、多くは建築基準法などの特別法においての規定が用いられているのが現状です。
    4「担保物権」=ある物を債権の担保に供することを目的とする物権です(第3話の注釈をご参照ください)。

    #24270
    ミスターK
    キーマスター

    **ニフ慶ドラマ**・・・「熱海の空から」

    第5話 「三愛ヨコハマホテル」
    この辺りは、学生時代によく遊んだ場所だ・・・・懐かしい。 典子を見た。 やはり美人だ・・・少し色気も出てきた。
    時計を見ると7時10分、  少々お腹がすいた・・・この辺りでは・・・・ あそこに行くか。
    近くに三愛ヨコハマホテルがあることを私は知っていた。  
    県立青年センターの前を右に曲がると もみじ坂会館だ・・・それを通り越し 左に曲がると階段がある。 降りていくと本町小学校の横に三愛ヨコハマホテルがある。 昔と何も変わっていない。
    とにかく、中に入りレストランの・席に着く。  懐かしさで心が踊る。 前には典子がいる。
    早々にコース料理と典子の好きなシャブリを注文・・・・紀子が私にウインクした。
    料理を食べながら、典子のマンションの詳しい経緯や現在の状況を聞いた。
    聞いてみると、相手方にも何やら事情が有り、引渡し出来ないらしい。
    また、以後賃貸借契約をしてそのまま、住み続けたいとも言っているらしい。
    結局、話をまとめると、マンションの売主は、金融機関から根抵当で借入れをしていて、物的担保(譲渡担保)としていたらしい。 返済が滞り、返済の目途がつかないと見るや、金融機関は間髪を入れず競売に出し、それを不動産屋が落札した。 しかし、立退きがが難航した為、典子に話をもちかけ、購入させたらしい。
    「根抵当」「譲渡担保」
    恐らく立退き料が欲しいと私は見た。   その理由は、従業員の名を借り短期賃借権の設定をしていた。「短期賃借権の保護」
    法的には、不動産屋は重要事項説明を怠ったことになる。
    いろいろ考えた結果、友人の南辰夫を紹介することにした。
    南は大学の同期でサークルもスキー同好会、何時も一緒、気心がしれていた。
    今は実家の家業を継いでいる。  彼は、地元横浜生まれで、親は地元の名士で親戚には政治かも何人かいる。  本業は、港の荷受や通関業・保税倉庫と手広くやっている。 表むきは普通の株式会社であるが、噂では南の家系は裏組織だと言う友人もいた・・・。
    典子に少し待つように言って、ロビーから南に携帯で連絡をとった。
    「南です。」 懐かしい響きだ・・・ 「おれ、義男」  「久しぶりだな。」
    一連マンションの話を掻い摘んでした。 二つ返事でOKがとれた。 しかし、多少お金がかかることになると言い、クライアントに了解を取れと言う。横文字だ・・・   ・・・・いくらかかるか聞いてみた。  「50万用意できるか?」 一旦電話を切った。
    レストランに戻り、典子に確認を取った。 「おい、50万用意できるか?」  典子曰、弁護士の先生に頼むとマンションの金額から換算すると着手金だけでも100万以上は用意しなければならないらしい。   すぐに典子のOKの返事がとれた。
    今度は、その場から南に再度連絡を入れた。 すぐに出た。  「話はついた・・・・。」 「OKだ。」と返事をすると・・・・・・「今から行くよ。」  南が快く引き受けてくれた。 30分でホテルに来るらしい。

    #24271
    ミスターK
    キーマスター

    **ニフ慶ドラマ**・・・「熱海の空から」

    第6話 「解決」
     私と典子は、静かに食事をしながら南を待っていた。
    典子と南は、面識はない。  掻い摘んで、南と私の関係など話した。  典子は、余りにも簡単に引き受けた南が不思議な人間に見えたらしい。
     前の通りに、キャデラックが止まった。 南が来た。 車を止めるスペースは無い。 車は走り去った。
    身長180センチでかっぷくのいい男だ・・・・妙に紺のダブルの背広が似合っている。
    レストランに入ってきた。 「久しぶり。義男、元気だったか?」 「横浜に来る時は連絡よこせ!!!」
    笑いながら、本題に入った。 典子は、緊張して顔が少し引きつった。
    改めて、南を典子に紹介し、経緯を典子から南に話させた。 南が言った。 「住所判りますか?」
    典子がコースターに住所を書いた。 南はそのコースターを持ってロビーに向かった。
    その間しばし、沈黙が続いた。
    直ぐに、表に載ってきたキャデラックが止まり、二人の紳士が降りていた。 その二人はホテルのロビーに入って来て、南と話をしていたかと思うと、先ほどの住所を書いたコースターを持ってまた車に乗って何処かに行ってしまった。
    南が戻ってきた。 「話はしたから 2・3日で解決だ。」・・・・・・不動産屋から連絡がいくよ。 南が微笑んだ。   典子の顔は、ハトが鉄砲をくらった顔だった。 思わず「はぁー」といった。
    典子は、軽く会釈をした。 そして、南は私に向かって、50万だぞ!と言って、笑った。
    そして、何もなかったかのように昔話に花が咲いた。 若い頃の話だ。 ドブ板あたりの・・・・・
    そこで、南に聞いてみた。 「今、何をやっている。 お前は・・・??」
    本人曰く、「家の仕事さ・・・・」    私が、「港関係だろ。お前の家は・・・・」
    「それも、やっているが・・・・」   「昔からの継りで、この辺(横浜)の便利屋だよ! 爺さんの家業だよ!」     私も典子も 何となく、納得した。  薄々は知っていたが・・・・突っ込んで聞いてみると、ほとんどが不動産や商取引のトラブルの解決らしい。  表で出来る仕事はお抱え弁護士や市会・県会の議員で解決させ、裏は南の爺さんの関係する仕事だそうだ。
    用益物権・地下・空中の地上権、法定地上権、仮登記担保などのトラブルはもちろんのこと、商売上の契約の履行や要物契約、流質契約、抵当証券のトラブル、また金融機関に財団抵当でお金を借りたいお客さんやを紹介するなど、港横浜はネタは尽きないらしい。
    「用途物権、地下・空中の地上権、法定地上権、仮登記担保」
    「要物契約、流質契約、抵当証券」「財団抵当」
    そんな話をしていたら、時計は10時をまわっていた。
    皆、今日はここで別れることになった。 南に対しての報酬は一時私が支払い、後日典子からと言うことになった。 典子は、少し後ろ髪が引かれる様子だったが、タクシーに乗って帰っていった。 南はこれから仕事との事。駅まで送ると言われたが、キャデラックにはあまり載りたくなかった。
    南は、載ってきたキャデラックでどこかに急ぎ走り去った。
    私はロビーのソファーに腰掛け、煙草に火をつけようと、コートのポケットに手を入れると・・・
    みなとみらい駅で拾った定期券が手に当たった。
    「シマッタ」 駅員に渡すのを忘れたな。 ・・・その定期入れを見て見ると、名前と連絡先があった。  名前は、佐藤貴子 21歳 横浜のお嬢さん学校の学生さんのようでだ・・・・
    ひょっとして、困っているかも・・・携帯で電話してみた。 すぐに出た・・・・・。
    「あのー」  「どなた・・・」  私は、なんて言ったらよいか言葉に詰まった。 「定期の・・・」
    「もしかして、拾って下さった方ですか。 失礼しました。」  会話になった。
    結局、明日も横浜に来ることになってしまった。

    #24272
    ミスターK
    キーマスター

    剣さん
    ご無沙汰でした。
    ちょっと スキーに行ってきました。
    2夜連続の連載とします。
    これで、物権法は大体「OK」と思いますが・・・
    後は、よろしく!!!

    話はまだまだ続きますが、「リクエスト」があればとします。
    たぶん 無いと思いますが・・・
    予告 次回の題は「横浜のスレンダーガール」です。

    また、ご意見があれば、遠慮なく・・・ご指摘ください。

    #24273
    MIKE
    キーマスター

    ミスターKさん
    少なくともσ(^^;の他にも2名の女性が続きに期待しています。是非続きをお願いします(^^)

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