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    投稿
  • #20139
    キーマスター

    松です。

    ハリポタ第5巻の邦訳本が出版されてから10日あまりが経ちました。
    松はこの第5巻は、もう1年前に英語で読み終わって、それからさらに3~4回は読み返
    しているので、邦訳版はどうでも良かったのですが(笑)、先日近所の本屋で平積みにな
    っているのを見かけて、ふと衝動買いしてしまいました(^-^;;)

    ということは、松の手元には英語の原テキストと、邦訳テキストがあるわけで、ふつふつ
    と松@誤訳ハンターの血が騒いでしまいます(笑)

    しかしさすがにこれほどの話題作になると、その辺の校正も念入りに行われたようで、明
    らかな誤訳といったものはありませんでした(ちと残念(笑))が、訳語の選択や、微妙
    な言い回しの点で、若干粗削りというか、イメージが一貫していないというか、そういう
    感じがしました。一字一句調べたわけではないですが、例えば…

    [邦訳]上巻p473
    「シニストラ先生のおっしゃったことを聞き違えたのだと思うけど、オイローパは氷で覆
    われてるの。子鼠じゃないわ-ハリー?」
    [原文]\”\’…, I think you must misheard Professor Sinistra, Europa\’s covered in ice,
    not mice-Harry?\’\”(p334)

    「氷」と「子鼠」(コ)の苦心の作なのかも知れないが、これではなんでハリーが「聞き
    違え」るのかいまいちハッキリしない。ルビを打つなりした方がいいかも。ちなみに確か
    \”Europa\”の日本語確定訳は「エウロパ」だったと思うが…

    [邦訳]上巻p575
    「でも、先生、誰が先生を辱めているのですか?」パーバティがおずおず尋ねた。
    「体制でございます!」
    [原文]\”\’But, Professor, who\’s insulting you?\’ asked Parvati timidly.
    \’The Establishment!\’\”(p405)

    確かに\’The Establishment\’の意味は「体制」なのだが、この作品のメインの読者層であ
    ろう小中学高校生にとって、この「体制」という語がなじみがあるとは思えない。「政府」
    の方が分かりやすいと思うのだが。(いや、確かに後に続く文章からすると「体制」とす
    べきなんだが…(^-^;;))

    [邦訳]上巻p591
    「マクゴナガルのところに行ったんだ。たぶん、マクゴナガルはダンブルドアに控訴した
    んだと思う。」
    [原文]\”\’I went to McGonagall and I think she might have appealed to Dumbledore.\’\”
    (p415)
    \’appeal\’には「控訴」という意味もあるが、場違いな気がする。「直訴した」「頼み込んだ」
    くらいの方がいいような気がする。

    [邦訳]下巻p242
    「君、本を書くべきだよ」ロンがポテトを切り刻みながら、ハーマイオニーに言った。「女
    の子の奇怪な行動についての解釈をさ。男の子が理解できるように」
    [原文]\”\’You should write a book,\’ Ron told Hermione as he cut up his potetoes,
    \’translating mad things girls do so boys can understand them.\’\”(p631)

    「男の子が理解できるように」するのだから、「解釈」よりも「解説」の方がよいと思う。

    [邦訳]下巻p608
    「そうか、おまえが俺様の予言を壊したのだな?」
    [原文]\”\’So, you smashed my prophecy?\’\”(p893)

    ヴォルデモートのセリフなんだが、「俺様」というとなんか矮小な感じがして、松のイメ
    ージに合わない…「わたし」の方がいいと思う。

    など。細かいといえば細かいですが、「文学作品」の邦訳として考えると、こういった細
    かいところからくるイメージの乱れというのは、非常に気になるのですね(^-^)

    こういった欠点だけではなく、これは「参った!」という「名訳」部分もある(^-^)

    [邦訳]下巻p105
    「医者?」ロンはまさかという目をした。「人間を切り刻んじゃう、マグルの変人のこと?
    違うさ。癒しの『癒者』だよ」
    [原文]\”\’Doctors?\’ said Ron, looking startled. \’Those Muggle nutters that cut people
    up? Nah, they\’re Healers\’\”(p533)

    「医者」(イシャ)と「癒者」(イシャ)。座布団一枚!って感じ(笑)。

    #ここで松が用いた「底本」は、ペーパーバック、
    #\”Harry Potter and the order of the Phoenix,\” Bloomsbury, 2004.
    #ISBN 0-7475-7072-8
    #です。

    ~松(♂50期、文学部第3類)~

    #20140
    mizukoko
    キーマスター

    誤訳探し、したくなる気持ちわかります。
    わたしも、ある歴史書を使って友人と勉強会をやっていますが、この本の和訳(さる有名な先生が監修をしています)は、1ページにひとつ、ないし一文は誤訳があります。
    たまたま編集者の方にお会いしたとき、そのお話をちらっとしたことがあるのですが、
    「これだけの本になりますと、ひとつやふたつの誤訳はしょうがないです」と、開き直っていらっしゃいました。
    歴史書なんで、「北 nord」と「黒 noir」やら、「取って代わる」の順序を間違って欲しくないんですけどね。
    河出のメグレ・シリーズにも結構ありますね。
    夏スクの「ラ・マン」も、授業中に一箇所見つけました。
    ごく初歩的な間違いでしたけど、やっちゃうんですよね。

    #20141
    mizukoko
    キーマスター

    そうそう、
    その方が
    「本出すと、必ず、誤訳を指摘する、ながーい手紙をくれるおじさんがいるんですよ」
    とおっしゃっていましたが、
    それ、松さんじゃないでしょうね。

    #20142
    よーこ
    キーマスター

    おやびん、坂本先生みたい・・・。スゴイ。あたちも持ってるよ、原書。
    だけどあたちの場合は、邦訳が出版されるやいなや自分の誤訳の洗い出しをしつつ笑いこけます。
    しかしあまりに訳本の出版が遅かったため、間延びしすぎて細かく読む気がしない。(笑)
    そういえば、SS英語リーディングの坂本先生の訳で今でもしっくりこない箇所が…。あたちの方が正しい気が。
    いつか先生と酒飲みながらクダ巻きたいな。絡んで苛めたいゼ。それにもっともtっとイギリス怪奇小説の話聞きたい。

    #20143
    よーこ
    キーマスター

    『バイナ イ ミール』というトルストイの長編小説があります。
    内容的に『戦争と世界』じゃないかなってずっと思ってる。
    でも『戦争と平和』が邦題。これって意訳?誤訳?

    #20144
    よーこ
    キーマスター

    連打でごめんちゃ。
    昨年の夜スク哲学で、中村先生が、
    「みなさんがいくら斬新で芸術的な構成でレポートや論文を書いたとしてもダメなんです。
    それはみなさんも私も“ただの人”だからです。柳田國男があの文体を許されるのは著名人だからです。」
    と、レポート・論文の形式の講義のときに話されたことを思い出しました。
    これもまた、意訳とか誤訳とはまた違うけど、たとえば言葉。
    金田一先生じゃないけれど、間違いも使われていくうちに、そのうち間違いじゃなくなっていく、みたいな。
    世の中でまかりとおっちゃえばこっちのもんなのかな。

    #20145
    Hiroko?
    キーマスター

    >それ、松さんじゃないでしょうね。
    mizukokoさん、ナイースツッコミ。座布団1枚!
    (は、仏語やんなきゃっ汗)

    #20146
    みさえ
    キーマスター

    Mizukokoさんって、賢女ですよね。インテリ。文面でわかります。
    どうして通信大学で学ばれているのかな、とふと考えてしまいました。

    #20147
    キーマスター

    >>>それ、松さんじゃないでしょうね。
    >>mizukokoさん、ナイースツッコミ。座布団1枚!

    「ながーい手紙」は別として、語学である程度まできて、「壁」を乗り越えたければ、
    なんらかのこだわりを持つのも一つの手だと思う。

    松は学生のころのある時から、「翻訳ほんやく」した「訳文」しか書けない自分
    (の答案)に嫌気が差して、出るだけ自然に近い訳文を作るように心がけた。

    自然な日本語に近いかどうか自体はそれほど「語学」のチカラに関係はないが、
    そうしようと「こだわる」ことによって、「このように訳すことは、原文の意味、構造から許されるのか?」という視点が自ずと現れてきて、文法・構文の精密な理解に
    つながっていくと思う。

    「大体正しい」で満足していれば、その程度の実力にとどまるしかないだろう。

    何事にも「こだわり」は大事だと思う。

    #20148
    キーマスター

    >>でも『戦争と平和』が邦題。これって意訳?誤訳?

    ロシア語はわからないから、紀伊国屋のサイトで英語の題名みたら、
    \”War and Peace\”

    おそらくロシア語原題もそうなんだと推測するけど、ということは
    トルストイ自身が自分の作品を「戦争と平和」と名づけたわけで、
    (一見内容とずれていると思われるとしても)基本的にはそのとおり
    に「訳す」のが正しいと思う。

    なんてことを考えてたら、昔J.デリダが、カフカの「掟の門」の題名
    について延々語ってたなぁ、あれなんだっけかなぁ…と思い出して
    しまった。今晩寝られないかも(笑)

    #20149
    よーこ
    キーマスター

    ロシア語の「ミール」には「平和」という意味も「世界」という意味もあるのです。
    いい言葉ですね。

    #20150
    mizukoko
    キーマスター

    よーこちゃん、他のみなさま、
    わたしがちょっと前に垣間見た翻訳の「業界」では、よっぽどの大家でないかぎり、翻訳者の力は吹けば飛ぶようなもので、いちばん力があるのは、出版社の編集者です。

    単語、文、ときには何段落分もの削除、添加(?)、章立ての変更などは、ごく当たり前で、タイトルも、最終的には編集者が決めます。
    原文があきらかに間違ってる、ということもあるので、うまくごまかしたり、著者に断ったり断らなかったりして(相手による)、直す場合もあります。

    ですから、翻訳者にとっては、おおむね「妥協」の世界です。
    こだわりの強い人には向かないかもしれません。
    (これ↑、松さんのこと、言ってるんじゃありませんので、怒らないでね)

    ですが、必ずしも仕事としてではない翻訳の世界は、奥が深く、大変に魅力的です。
    松さんのおっしゃるとおり、翻訳してみる、誤訳を探してみる、自分のと比べてみる、等々は、語学の勉強として(きっと他のことにも)、とても有益な方法です。
    もし機会があれば、翻訳学校で翻訳の講座を受けてみるのがお薦めです。
    「目からうろこ!」体験ができると思いますよ。

    >Mizukokoさんって、賢女ですよね
    みさえさんに言われるなんて、光栄です。
    でも、わたしにはあまりにも遠い言葉で
    hirokoちゃんの「とおい目」を借りないと、見えないかな・・・

    #20151
    よーこ
    キーマスター

    mizukokoさん、
    「翻訳」談義、umなるほどー、ですね。
    ほんとに好きなことって、職業にしちゃだめってことかもしれませんね。

    ハリポタ日本語版に関しては、訳者と出版社はかなーり密接な関係があるように聞いた事があるんですが、
    ふつう一般的にはmizukokoさんの仰る通りなんだと思います。

    #20152
    こまろ
    キーマスター

    翻訳におけるこだわり、うーん、松さんに激しく同意。
    お久しぶりです、こまろです。

    最近、仕事で300ページ近くの文章を英文和訳したのですが、なんだか
    思いっきりはまってしまって、日本語をこねくりまわして楽しんでしまいました。

    >「このように訳すことは、原文の意味、構造から許されるのか?」という視点が自ずと現れてきて、
    >文法・構文の精密な理解につながっていくと思う。

    うん。確かにそう思う。
    私は私のこだわりを保ちつつ自分色を出し、なおかつ原文を損なわない
    ように英語と格闘しています。
    翻訳は奥が深い!

    #20153
    よーこ
    キーマスター

    こまろさん、jはじめまして、でしょうか?(まちがったらごめんなさい)
    300頁ってスゴイ量ですが何系の翻訳ですか?(って聞いちゃマズイかな?)
    >こだわりを持ちつつ自分色を出し、なおかつ原文を損なわない
    まさに訳者の醍醐味ですね。昔私は童話や児童書の翻訳家になりたかったんです。

    で、
    (こっから独り言っす)
    きょう会社近くのビブロで
    『幻のロシア絵本 復刻シリ-ズ』『幻のロシア絵本1920-30年代』
    をみつけてしまい、迷いに迷って、傍に売ってた1930年ソ連アバンギャルドな絵葉書だけ10枚買って帰ってきた。
    しかーし、やっぱ忘れられず、さっき大学生協に注文してしまった!!またしても清水の舞台から飛び降りねば・・
    来週京都でマジ飛び降りたりして。 (う、「ほう、そう。」すずむらあわーはじまっちゃったや!)

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