今日から試験対策シリーズの第2弾をお送りします。
前回の「民法総論一夜漬編」よりもう少し丁寧にいきたいと考えていますので、試験までに間に合わない可能性もありますが、どうかご容赦ください。
試験対策シリーズ・「物権法/逐条解説」その1
175条「物権法定主義」
○物権とは(物)※の上に成立する(権)利のことであり、物を直接的、排他的に支配する権利のことです。それではひと口に物といっても法律上の権利が成立する物とは一体いかなるものなのでしょうか?
→それは「物権法」ではなく「民法総論」の85条に規定があります。
○85条は「本法(民法)に於いて物とは有体物をいう」としていますが、それでは「有体物」とはなんでしょうか?
→それは従来の通説は「固体、液体、気体という空間の一部を占める外界物質」としてきましたが、今日の社会経済事情には適合しないため、近時その概念を著作権やエネルギーなどの「無体物」にも拡張し、民法における物概念を「法律上排他的支配可能なもの」とする説が有力です。但し、それらのものについても以下の要件が満たされなくてはなりません。
1支配可能性~天体や空気などについては排他的支配が可能とは言えません。2○○格性~「彼女は俺のものだ」とは言っても、当然に生身の人間は権利の客体ではありません。それではその彼女が彼にクリスマスプレゼントを買うために自分の髪の毛を売った場合はどうなるでしょうか(確かこんなストーリーの小説がありましたが題名が思い出せません)?~それは公序良俗に反しない限り物として取扱われます。
→よって、A:「あの空に輝く星を君にプレゼントするよ」はロマンティックですが残念ながら(×)。B:「この六法全書を君にプレゼントするよ」はもちろん(○)。Bにないのは色気だけです。
○さて、物権とは他を排斥することの出来る強力な権利です。従って一つの物の上に同種の権利は一つしか成立出来ないことになります。これを物権法解釈の大原則「一物一権主義」といいます。また、そんな強力な権利を勝手自由に作られたり、法定された権利の内容を変更されてはならないわけで、本条は「新たな種類の物権を作る、あるいは法定の内容を変更すること」は認められません、と規定しているのです。
→「一物一権主義」は原則であるため、当然例外もあります。それは「共有」や「区分所有」などです(ミスターKさんの小説をご参照ください)。さらに担保物権も一つの不動産等に対し複数成立することがありますが、これには順位が存在します。その他、土地の一部を対象とする地役権など。
→物権は物を「直接的」、「排他的」に支配する権利です。
1「直接的」とは?~他人の意思、行為に因らずに「自己の意思のみに基づき」物を支配することです。2「排他的」とは?~上述のように、他を排斥出来る性質のことであり、ここからも一物一権主義が導かれます。