#11678
よーこ
キーマスター

やっかさん、
先日はお会いできて嬉しかったです。そして学部変更のこと教えてくれてサンキューでした。

さて、やっかさん飯雄さんと科目試験でお会いした折に、厚生経済学第二定理の話になりました。
そのとき私は開発経済学分野までやっていくなら第二定理は関わってくるのではないか、と言った
と思います。ちょっと微妙に付け足したいことがあるので(確認も含めて)カキコします。
それと前に『経済セミナー』04.10掲載の鈴村興太郎教授(一橋Univ.)「厚生経済学と福祉国家」の
話をどっかのスレで紹介した時、NALさんから内容をざっと知りたいと言われました。
そのときは試験前だったので、経済学や原論を受ける方は混乱するかなと思って書かなかったの
ですが(自分ならわけわかんなくなっちゃいそうだなと思いました)、関連しますので書きますね。

まず「厚生経済学の第一定理」は「任意の競争市場均衡配分はパレート最適の条件を満たして
いる」と参考書にも書いてあると思います。ベースはスミスの「神の見えざる手」に言われる完全
競争原理下でのパレート効率的な資源配分を実現する話ですよね。
(厚生経済学:ベンサムの功利主義からの発想がやがてmoral philosophyの概念を生み、ピグ
ーが1920年にeconomics of welfareとして体系化したのが厚生経済学の起源)
で、第二定理は「任意のパレート最適の条件を満たす配分は適当な初期保有の再配分によって
競争市場均衡として実現できる」ですが、これも発想のベースは同じ市場における完全競争です。
これを市場における競争プロセスの意義を理解したり競争政策の基準として用いるのは無意味
だという論を立てたのがオーストリア学派のハイエクだと断って、関連して完全競争に対する過
当競争概念を挙げ、その矛盾を示しつつ、教授は結論として「厚生経済学の基本定理は完全競
争的資源配分の特徴を言うだけで、市場競争メカニズムのメリットは語れない(概略)」としていま
す。マーシャルの「経済学の短い命題は全て謝っている」という警句と、サミュエルソンに教授が
インタビューしたエピソードを織り交ぜて自論を説得力あるものにしています。
 また、このような発想の根幹にある帰結主義から、その経済システムの背後に捨て去られた
「機会」(昨夏西先生の原論スクでやりましたね)の重要性を論じる非帰結主義の考え方を説き
つつ、厚生経済学を効率性至上主義から脱却させたセンの功績も語られています。
教授の福祉国家システム論は、センの論をも部分否定しながら語られているようですが(両教
授の著作はまだ全て読破しておらず、なんともいえない)、貧困の格差問題に焦点を当てた開
発経済学にも大いに関わる論だと思いました。
で、開発経済学をやるなら厚生経済学の第二定理が関係云々…というのは、発想の派生は促
しても直接に関係はしない、と思いました。つまり、発想の原点が違うんだと認識しました。
なので、やっかさんと飯雄さんに言い直さなきゃと思いました。

上部へスクロール